病気について

池江選手が白血病だと発表があった。軽い病気ではない。

なによりも本人が病気であることを受け入れるまでに、時間がかかる。闘病生活が始まり、病院にいる時間が長くなる。病院で耳にする話にいい話はほとんどない。明るい話題とは無縁なところだ。

病気が治ったところで、それは日常生活に戻ることを意味し、大抵の場合、病気する前の状態で日常に復帰することはまれだ。

誰もがいずれ大きな病気をする。そしていつか死ぬ。

若くして大病にかかるというのは、もうなんといっていいかわからない。ただ自分にできることをし、まわりの励ましに応え信頼し、ある程度は自分の中で整理をしながら、明日を手繰り寄せるしかない。

 

失明してからもうすぐ8年になろうとしている。病気になる前と同じ自分ではない。ただただ心の平静を願うばかりだ。

俺は退院前の一週間毎日大泣きをして暮らしていた。もう以前の自分に戻れないことを悲しんでいた。

 

CMに出ていたガンの女の子がなくなった。彼女も若かった。結婚して、海外旅行とかにも行っていた。テレビの密着番組みたいなものを見た。

 

白血病もガンも必ずなくなる病気というわけではない。しかし…

どうにかして明日までたどり着こうと毎日コツコツ暮らしてきた。少しづつみんなに世話になりながら。そうやって8年経った。

時々もがいたり諦めたりしながら、感情の波に飲み込まれながら、這うようにして生きた。