声をかけた

俺はすごい人見知りで、基本的に自分から話しかけることはないのだが、いつも気にかけてくれている上司がいて、なんだか難しい顔をして廊下を歩いてばかりいたから、大丈夫かなって思って声をかけた。

普段しないことをした。たまにはいい。そういう歌があったね。

少し忙しかっただけだったみたいで、まあ笑顔が出てよかったよ。

滅多に人に話しかけないというのは、一種の病気なのだろうか。

嫁は俺が病気してから、人が変わったっていう。まあ、そうなのかもしれない。誰だって失明するような大病を患えば、性格も変わるというものだ。俺はテンションが高く、ふざけてばかりいたけど、そういうのをしなくなった。

うまく言えないけど、もう誰も傷つけたくないし傷つきたくないし、人生楽しくがモットーだったが、面白おかしくということじゃなく、そういうのはテレビに任して、心やすく生きるという楽しさを求めるようになったのだろう。

引退したつもりで余生を過ごすのが夢だ。