アノニマス

アノニマスとは匿名という意味で、僕が知ったのはマット・スカダーがAAのことをアルコホリックアノニマスと言っていたからだ。AAとはアルコール中毒の人を更正させるための、団体で世界各地にある。

ヒエロニムス・ボッシュというLAの刑事は自分の名前の読み方を説明するときに、アノニマスと同じだと言っていた。どちらも俺の好きなハードボイルドの小説で、ヒエロニムス・ボッシュは中世ドイツの画家と同じ名前だ。

「快楽の園」という代表作が小説の中にも出てきて、面白かった。

えっと、このブログはアノニマス、匿名で書き手である俺は簡単にはわからないようになっている。俺は簡単に他人を誹謗中傷したりする人間ではないが、それでも匿名性にあぐらをかいて、批判めいたことを書いたりすることもある。

野球選手の奥さんが中傷された件で、中傷した匿名の相手を特定し訴えるそうだ。いいことだ。世の中には意味もなく悪口、妬み、嫉みが書き込まれていて、それが本当か嘘かはどうでもよくて、ただアクセス数や再生回数が増えることで収入が入ってくる人たちの、炎上商売を助長しているのだと思う。

かってのテレビ番組も視聴率という怪物に左右されて、無茶な番組づくりをしていたみたいだが、そんなこんなでテレビは衰退してしまった。広告収入という怪物は、手段を選ばない。有名性だけが重要なのだ。

今度はネットだ。この俺が自由に全世界に向かって好き勝手なことを言えるというのは、素晴らしいと思える部分もあるが、反面とても恐ろしいということもある。

知らず知らずのウチに誰かを傷つけていることもあるだろう。最近はすぐにグチを書いてしまう。楽しい話が思い出せないぐらいだ。ヤダ、ヤダ。

昔、らもさんのエッセイを読んで育った。面白い話しがたくさん書いてあった。とくに面白かったのは、身内、友達の失敗談や、へんてこな話だった。エッセイストは身内もネタにして、面白い話を書くもんだなと思った。

作家になれば匿名ではいられない。らもさんはアル中だったけど、アノニマスじゃなかった。身を削って文章を書いていたはず。

たくさん身内に怒られただろう。思ったことが言えない社会も怖いけど、何でもかんでも人を傷つける世の中って言うのもいかがなものか・・・・・・。いかがなものかって、意味のない言葉で終わってしまった。