今年のナンバーワンは

今週のお題「私のブログ・ネット大賞2016」

今年の自分的ナンバーワンニュースは、なんといってもボブ・ディランノーベル賞受賞でしょう。詩人の端くれとして、60年代を愛する物にとって、詩を愛するものとして、表現者として、ボブ・ディランのファンとして、考えることが多すぎます。

現代はもはやベトナム戦争下ではなく東西冷戦もなくではない。しかし貧困や差別は続き常に新しい病気は存在し、情報は混乱し人々は虚構の経済ゲームを続けている。若者はヴァーチャルの世界にのめり込み社会に適応できず、底意地の悪い若者だけが得をする。道徳や人としての誇りは失われてみなヒーローになりたがる。

で、ボブ・ディランノーベル賞文学賞受賞だ。それこそhow does it feel?って訊かれたことだろう。まあ転がり落ちた訳じゃなくて、わりと世間的には上り詰めた感じになったんだが。詩人だって人だ。太宰治だって芥川賞くださいって頼んだぐらいだ。承認欲求を満たされたいはずだ。でも、なにもかも昔通りには行かない。それはわかってる。

俺だったら嬉しいか。もちろん嬉しいね。俺は世間に認められた存在じゃないし、そのことでコンプレックスも持っている。だから素直に喜ぶだろう。だけど・・・。そうだけど何か気に入らないんだよね。世間から認められてしまえば反逆者ではいられないのだ。体制側になって批判される側になるのだ。そこでまた考える。自分ははたして反逆者なのかと。だだをこねているおっさんにすぎないのではないか。

原点に戻って考える。良い詩とは何か。ノーベル賞とは関係なく良い詩とは何か。人の心を打つ美しい詩だ。体制だとか反体制だとか関係なく、それを読んだ人が一生忘れないほどの思いをもつ。そう言う意味でボブ・ディランの詩は良い詩なのだろう。出来れば俺が書いた詩も誰か読んでくれた人の心を打ってくれたならいいと思う。