ダメ出しがでた
やっと小説の第二部が完成して、一息つけるかと思ったら、嫁からダメ出しがでて、最後のところがこう、もっとスッキリ終わらんとあかん、みたいにいわれて、ああ、そうか。嫁は俺よりこの主人公のことが好きなんやと思って嬉しいです。
去年の12月から初めて9ヶ月かかったね。もっと春ぐらいに終わると思ってたけど、モチベーションの低下と、アイデアの枯渇と戦いながら、嫁に尻たたかれながらようやく300枚ちょっとあがったよ。推敲してだいぶ減らして、時には増やして、応募いして落ちた第一部にも手を入れて、複線を増やしたり、トリックを仕込んだりしながらまた一月ぐらい一応書き上げた第二部と戦わなあかん。
でも三部は完結編になるはずだから、書いてて楽しくなるはず。というか楽しくなって欲しい。
三部作って二部がつなぎになってて、スターウォーズのエピソード5とか、バック・トゥ・ザ・フューチャー2とかそんなイメージ。一部を書き上げた後で読めと話して、二部の全体像みたいなのを考えたんやけど、そうしたら必然と第三部はこうなるやろうって、俺の中にできたものがあって、俺もまだ思いついてない、あっと驚く仕掛けを嫁に考えてもらって、ジェフリー・ディーバーみたいなどんでん返しで、楽しんでやろう。
ミサイル
ミサイルが空を飛んだ。シャボン玉じゃない。シャボン玉のようにはかなく壊れて消えるものではない。誰かを傷つけ殺すための、金属の固まりだ。こけおどしなのかもしれんが、飛行機や船に当たったら大変なことになる。
北朝鮮だってそんなことはわかってるはず。わかっててやってるということが、恐ろしいのだ。俺は何となく事故や病気で死ぬと思っていたが、ミサイルにやられて死ぬというような、想像はしてなかった。なぜだ。
ミサイルもテロもいらない。平和をおくれよ。なんだか忌野清志郎みたいになってきた。でもさ、俺は未だに60年代70年代を引きずって生きてる最後の世代かもしれない。ジョン・レノンを聞いて育ったわけじゃない。俺が聞いてたのは沢田研二やたのきんトリオ、チェッカーズに聖子、明菜、岩崎宏美だ。
ミサイルはいったいどこへむかっているのだ。日本はどうしたいんだ。誰が何を考えているのだ。単純なものを愛しているのだ。複雑な政治的理屈はなしにしてくれよ。
サマータイムブルースなのか。さっぱりわかんねえ誰のため。コレが最後のサマータイムブルース。ミサイルは余ってる、もういらねえ。鉄がもったいねえ。火薬がもったいねえ。
アルベルト
アルベルト・コンタドールがこのブエルタ・エスパーニャで引退する。本当は去年末で引退する予定だったらしいが、調子が往年のレベルまで戻ったと思って、引退を撤回し、今年のツールに挑戦したらしい。中野さんが解説で言ってた。
昨日5ステージを見たんだけれど、フルームとの真っ向勝負力対決は、見ていてワクワクするあの、最高に面白いサイクルロードレースが帰ってきたことを思い出させるものだった。ブエルタは熱いレースになりがちだが、本気のコンタドールは最高だ。
アンディ・シュレクとの激闘時はアンチコンタドールだったが、実直な性格が気難しい雰囲気を生むのだろうか。王者のオーラが僕を気後れさせる。元々何でアンチコンタドールになったか思い出した。バキューンポーズが気に入らなかったのだ。俺は拳銃やライフル、ショットガンなどが嫌いで、あんな野蛮なポーズをする男は好きになれなかったのだ。
今は好きだ。コンタドール、頑張ってほしい。と書いても、もう数レースで引退してしまうのね。自分の力が衰えて引退するというのは、とてもつらいことだ。
特にその仕事のことを真剣に考えている場合には。イチローもカズもなかなか決断をしない。それはそれでいい。王者はいつか王者じゃなくなり、若者にイスを譲ることになる。僕たちは子供たちが育つ間、防衛戦を戦い続けるしかない、そして時代が終わり人知れず、もしくは華々しくちっていくのだ。
居場所を探して
俺の居場所は本の中で、いつもらもさんやスペンサー、マット・スカダーのことを考えていた。スカダーも最終的にはエレインとくっついて、何となくうまくいったけど、跳弾がエストリータ・リベラの目から入り、脳まで達し、亡くなったことを受けて、少しづつ人生が変わっていってしまったマットのことを自分に置き換えてよく思い出す。
ロングアイランドに庭付き一戸建てを買い、幸せに暮らしていたはずのマットには警察を続けることも、家庭を続けることもできなかった。俺は昔はあんまりピンときてなかったけど、今ではその理由がよくわかるのだ。
今までと同じ人間ではいられないんだ。幸せであったはずの砂の城がくずれ、戻るところもなく、ただ現実が恐ろしく残酷なものに見える。そんな精神的に追い込まれた日々を過ごさなきゃならない。
それは病気になって、現場復帰してどこにも属せない、ただふらふらと漂うだけの、俺に似ている。会社は給料をくれるがそれは、俺のことをかわいそうに思ってるからだろう、と思ってしまう。
結局のところ俺はうまく泳げなくなった魚と同じだ。群から離れて死ぬしかない。
現実はもっともっとふくざなのだが・・・・・・
数えてごらんよ
僕は一人、嫁も一人
子供は二人、家は一軒、車は一台
掃除機は二台、エアコンは五台、そのうち二台は壊れてる
家から職場まで20分、ほぼ毎日2時間ぐらいサービス残業
帰りがけに飲むコーヒー一杯、晩酌の酎ハイ一本
休みの日に十キロ走り、最大心拍数は182バウンド、走りながら飲む水600ml
体重が60キロで、身長が170デシリットル
白髪の本数は4万2千ヘクトパスカル、バカンソレイユのサイクルジャージを一匹もっていて
上白石萌音のなんでもないやを聴いて一個の涙を流した
毎日一ラリリのソラナックスを飲み、一逃避のプロチゾラムを飲む
3分しゃべって、10時間黙ってるような生活を七日間続け
一グラムの愛情を絞り出そうとしている
僕はゼロ回、生きている