お前のことさ

一時期やめていた安定剤を飲んでいる。その方が調子がいいからだ。

おれはどこにでもいるし、どこにもいない。お前はいつ迎えにくるんだ。書きたい絵があるんだ。黄色と青の美しい絵だ。お前は続きが見たがるだろう。

いつもの愛でおれを許してくれ。おしゃべりがおれを蝕んでいく。

おれは黙って黙々と仕事をする。一マスづつ字を埋めてお前の気を引こうとしてるのだ。愛の歌を歌うには歳をとりすぎた。月は遠くで、海は深い。

おれはチタニウムホワイトで真っ白になる。お前はクリムゾンレーキで真っ赤になる。苦しみがいつの日か俺たちを一つにするだろう。

そうだろう。

甘いケーキをおくれよ。お前のパイをおくれよ。さびしんぼうなんだろう。