花火

むかし若い頃、彼女と花火大会に行った

そのとき友達と行ったのに、僕は彼女の膝枕で花火をみた

写真を撮って、彼女の横顔があどけない

浴衣を着た覚えはない、近くで見てもみくちゃになって

屋台で何かを買いたいような、無理だったような

暑くて、座るまでが長くて、花火が打ち上がるまで

長い間待たされて、花火見るまでにつかれてて

うち上がったら、それはそれで近くでみるやつは

迫力があって、なんかスゲーっておもって

いろんな形があって、僕はなんだかよくわからないまま

彼女がいて嬉しくて、舞い上がってて

じっとりと汗がシャツにまとわりつくような感じで

火薬のにおいと彼女のにおいと、焼きトウモロコシのにおいが

いっしょになって、僕は夏の花火は卒業したような気になって

遠くから見るだけになってしまって

それでもまだ花火には何かしら人を、ちょっと動かす

何か特別な物があって、だいぶテンションのさがった人間になった僕でも

今日は少し見てみようかと思うようになった

少しは見えるだろうか、少しは楽しめるだろうか

おにぎりをたべようか