苦いとは思わない

今週のお題「お気に入りの飲み物」

子供の頃、ビールは苦いものだと思っていた。親父が飲んでいるビールを少しもらって飲んだけど、苦いという感想しかなかった。なぜ大人はこんな苦い飲み物を、うまいうまいと言って飲むのだろうと、思っていた。

時はたち20歳を超えお酒を飲める年齢になった。それでも俺は甘口のカクテル、甘口の白ワインなんぞを飲んでいた。ビールを飲むという発想がなかったんだ。

俺をビール好きにしたのはもちろんスペンサーだ。ロバート・b・パーカーの小説の主人公スペンサーはいつもだいたいビールを飲む。それも美味そうに飲むのだ。初期の頃はアランダのビール「アムステル」に凝っていたが、アメリカに輸入されなくなり、あれこれ飲むようになる。だけど「バドワイザー」を積極的に飲んでいる描写はない。例えば西海岸では「クアーズ」カナダでは「ラバット・エール」など地元のビールを飲む。

恋人のスーザンのところに「アンカー・スチーム・エール」が置いてあり「金持ちの愛人でもできたのか」と聞くシーンがある。

昔だったから、今みたいに情報が手に入らず、マイケル・ジャクソンというポップスターと同姓同名のビール評論家の書いた「世界ビール読本」しかなかった。

俺はそれを読みながら、手に入るだけのビールを試した。懐かしい。

日本でアムステルを飲むためにあちこちのバーに顔を出した。今ならネットショッピングでポチッとで終わりだ。