頭の中がかゆいんだ

師匠中島らものエッセイで「頭の中がかゆいんだ」というのがあったように思う。俺はらもさんのエッセイが好きで、生前に出版されたものは全部読んでいる。

その中の一つに嫌なこと、苦しいことを思い出した時に頭の中で「テケテンテンテケテン」というのを繰り返すという話が出てくる。その嫌なことを思い出した時のことを頭の中に埃がたったと表現していた。

「テケテンテンテケテン」というのを何度も繰り返しているうちに、バカバカしくなってその頭の中に埃がたった状態を、忘れられると書いてあった。

お堅い部長さんとかは是非やってほしいと、念押ししていた。

今読んでいる本では精神科医が患者に対して、怒りの感情に名前をつけて可視化してくださいとアドバイスしていた。その患者は怒りを「煙」と名付けて自分の怒りの感情を可視化し、イメージとしてわかりやすいようにしていた。

今日も仕事がストレスフルで、あれやこれやとみな注文をしてきて、俺は中間管理職として着地点を模索し、あれこれ捌かなきゃならない。

俺が唱えた呪文は「テケテンテンテケテン」じゃなく「ウルトラマリンディープ」だった。昨日のブログにも書いたが、お気に入りの背景色で愛用している。「ウルトラマリンディープ」という語感と深く神秘的な濃紺の色が俺のザラザラした心を何度も沈めてくれた。

俺は怒りよりも悲しみが先に訪れるから、その色のイメージは俺にとっては良い鎮静剤になるのだろう。

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