朝練をしようか

昔、ロードレーサーに乗っていた頃、朝練をしていた。週三回ぐらい4時半に起きて、1時間ぐらいローラー台の上に乗り、汗をかきシャワーを浴びて過ごしていた。

もう自転車はやめてしまった。それはいろんな理由があるけれど、もうあの情熱は俺の心からは生まれない。そう心が年老いてしまったんだ。時々誘われて、ツーリングのようなものに参加することもあって、そこでは坂が出てこない。坂がなければ、自転車の魅力は半分以下だ。坂だけが俺を熱くさせる。それ以外のチャレンジは俺をそんなにも熱くさせることはない。

新しく始めた油絵という趣味は、俺をまた違う角度で覚醒させた。面白い。のめり込む要素がたくさんある。それは俺が基本不器用で、なおかつ目が不自由だということに根ざしていると思う。印象派の絵はまた違うけれど、基本的にものすごく細かいところまで気を配って、ミリもしくはコンマ5ミリ違っても、納得できないもが出来上がる。シビアで作戦と忍耐力と技術力を試される。

俺は描きかけのの絵を何度も見て、何がどうダメなのか、自分に問う。どうしたらもっと良くなるのか、知識がない、誰にも習ってないので、全て自分で解決するしかない。

でもまたそれが気に入っているところでもある。俺はわがままで、頑固だから人の言うことを聞かない。

必然、経験を積むしかない。だから昔を思い出して朝練をしようかと思っている。明日は4時起きだ。