ヘップバーン
朝四時に目が覚めて
また眠ることができないことがわかっていたので
絵筆を持ち出し
続きを描いていた
どうしてだろう、もうやめなよ
自分のことを調べるのは
みっともないよ、さみしくないよ
誰もわかってくれなくてもいいじゃないか
自分のことを考えるのはやめなよ
すぐそばの相手のことを思ってごらんよ
自分の力を人のために役に立てるんだ
小さな力、大きな力、そんなに名誉が欲しいかい
朝四時は少し寒く筆を持つ手が震えた
眉や唇をじっと見つめて
描いては直し、また描いてを繰り返す
目がよく見えないんだろう
うまく描けないなら、手伝ってもらいなよ
なんでも自分でできるなんて
思い上がりもいいところだ
独りよがりの絵なんて誰も見ないし
誰も欲しいと思わないよ
自分のことを考えるのはやめて
心を外に解き放つんだ
そうこんな風に微笑むんだ