友人

14日に高校時代からの友人に会う。毎年お盆に東京に行っている友人がこちらに帰って来て、四人集まって、晩御飯を食べたりしている。

それが去年から一人抜けて、三人になった。一人電話が通じなくなったのだ。心配ではあるが、生きているらしい。今年出した年賀状に返事があったのだ。この年になれば、いろんなことが起こる。嫁のこと、子供のこと、その他…人間関係だろうか。

彼も俺も、誰もが人に会いたくない事情の一つや二つはあるだろう。昔馴染みなら、なおさらみじめになるかもしれない。でも、昔馴染みだからこそいろんな垣根を超えて、話せることもあるだろうと思うんだ。

高校生の時は皆同じラインの上にいたが、どういうわけか皆別々の道を行き、偉くなった奴もいれば、俺みたいに持病を抱え、明日へたどりつくのが目一杯という奴もいる。

それでも毎年集まれば、みな高校時代に戻って、バカ話で盛り上がって、好きだった女の子や、流行っていた歌、癖のある先生のモノマネであっという間に時が過ぎる。

そこには社会的地位も、貧富の差も、何もない。あるとすれば心が美しくないからだ。競争社会にまみれて、自分を見失っているからだ。

彼に手紙を書いた。返事は来ない。俺たちの電話番号は変わってない。そして俺たちの心はあの頃の17歳だった時のままだ。少なくとも数時間は。