光と陰

絵を描いていると、世の中には光と陰しかないような気がしてくる。再三絵をアップしているのだけれど、リンゴはまあ、本を見ながら本の通りに描いた。だから不満もなければ、愛情もない。ただボトルの方は、現物を穴があくほど見つめて、でも実際に見てる瓶と絵に描いてる瓶とは光の角度が違うから、どう描いていいのか全くわからなくて、嫁に何度も聞いたけど、色々アドバイスしてくれたけど、結局好きに描いたらってことになるのよ。

それはわかってる。好きに描いたらいいのは。だって趣味だから。正解もなければ、間違いもない。ひたすら自己満足の世界。でも一応こう描いた方がよりリアルに、本物っぽくなるよ。そういうアドバイスを待ってるのよ。

透明な瓶はすごい難しい。アールがあって光が反射してるところと向こうに抜けてるところと、瓶のかげの濃さ、薄さ、グラデーション、ハイライトの濃さ、白さ、その他もろもろを常に考えている。

そんなことばかり考えているものだから、常に見るものを光と陰でとらえてしまう癖がついた。物をあんまりじっくり観察する事なんかしてこなかったけれど、絵を描くというのは、観察するというのと、ほぼ同義語ぐらい、見ることが第一義だと思う。

昭和のおじさんは、おしゃれさとはほど遠い存在だけれど、色、光、陰。物質はそういうもので構成されて、おしゃれな人たちは、そんな形あるものの造形に命を懸けて関心があるのだろう。

赤と黒スタンダール。昔に読んだ気がする。内容は覚えてない。赤と黒といえばA.C.ミランのユニフォームだね。アリーゴ・サッキルート・フリットマルコ・ファンバステンなど。

一色でベタっと塗ってしまえれば、世の中は簡単なのにね。