時々思うこと

最近はあんまりいいことがないような気がして、日々ぼんやり過ごしていた。家に帰っても子供たちは引きこもっているし、嫁は俺の相手で疲れているし、テレビは下らないことばかりしゃべっているし、音楽はもうつまらないし、サイクルロードレースは解約してしまったし、俺は自ら生きる楽しみを放棄しているようだ。

だけど今日思いがけなく嬉しいことがあった。「たまむすび」に赤江珠緒が帰ってくる。あのポンコツ工場長、赤江さんが「たまむすび」に4月から復帰するらしい。こんなに嬉しいことはない。狂喜乱舞してもいい。産休で去年の4月から休んでいたのだ。だけど代打のパーソナリティーがTBSのアナウンサーばかりだったので、これは一年で復帰の線もあるんじゃないだろうかと、勝手に勘ぐっていたのだ。素直に嬉しい。おめでとう。

僕は数年前から目の病気を患っていて、あまりはっきりとものが見えない。また見えていても、長時間見てるとすごく疲れるのだ。だから最初は音楽ばかり聞いていた。そのうち音楽も飽きてしまって、ラジオを聴くようになった。ラジオというメディアはまだ昭和の香りが残っていて、パーソナリティーが比較的本音を言いやすい空気がまだある。だからみなリラックスして、ラジオを放送したり、聴いたりして、双方向で理解があるのだ。テレビにはなくなってしまったアットホーム感が好きだ。

「たまむすび」はその中でも唯一無二と言っていいぐらい重要なニュース、時事ネタを扱わない番組で、ヘビーリスナーはみな、その緩さが気に入っている。どうでもいい話を肩の凝らない話を二時間半提供してくれる。素晴らしい番組だ。病気をして以来ずっと聴いている。ナタリーが抜けたときはとても悲しかったけど、たまちゃんが帰ってくる、生きててよかった、そう思う数少ない瞬間だ。

時間に追われ、情報に追われ、金融市場、日経平均株価なぞに振り回される毎日おいて、その自然体な姿勢は見習うべきところが多い。もちろんメディアとして、全国に放送しているので、番組は自然体っぽくやっているだけなのかもしれないがリスナーはそれも含めて楽しんでいると思う。

もう一度、生きててよかった。何年かに一度そんなことを思う、今日はいい日だ。