健康ってすごい

今週のお題「ゲン担ぎ」昔は薬が嫌いで、飲むのが嫌で、どうしても飲まなきゃならないとき以外、避けていた。

風邪を引いても、足が痛くても、湿疹だらけになっても、俺は病院が嫌いで、医者が嫌いで意地でも行くものかと、思っていた。

それは大変に子供っぽくて要は、自分が病人であるってことを認めるのが怖かっただけなんだろう。病院に行けば医者は何かしら病名を思いつくし、医者が何か病名を思いつけば治療、薬となって俺は見事病人の仲間入りだ。

貧乏と同じで病気であることは、恥ずかしいことでもなく、自慢することでもない。もちろん健康な方がいいのだけれど、五体満足どこにも病気、ケガを抱えてない人っていないでしょう。いる?

薬を飲まないことが、俺にとって健康である象徴だったのだが、それはどうやら間違っていて、俺は病院に行けばたくさんの病名をいただくぐらい、病んでいたのだろう。

今は実際に難病指定を受けるほどの病気を抱え、毎日をやり過ごさなければならない。薬も毎日だ。薬のおかげで生きている。薬サマサマだ。どうだ、このかわりようは。

いまでも薬を飲まなくてすむなら、どんなに楽かと思う。でも薬をやめたらたぶん俺は失明するし、失明したら仕事ができなくなる。そうすると家族は路頭に迷い、俺は昼間っから飲んだくれて、ラジオばっかり聴いているだろう。

俺は健康だった。もしゲン担ぎして、たとえば毎日納豆巻を食べたら、病気が治るなら、毎日納豆巻を食べる。宇宙人と交信しろって言うのならば、無線の免許を取ろう。今日のラッキーアイテムがリラックマセカンドバックなら俺は、買ってそれを使おう。