誰のために

僕は誰の言葉を信じればいいのだろう、そう言われてはっとした。

僕は常に自分を信じてきた、だけど迷ったとき、疲れたとき、苦しいとき

そばにいてくれた人たち、音楽、小説、絵画があった。

僕は常に自分の為に創作してきた、芸術とはそういう自己の情念や感情を

表現するものだと思っていた。

最近自己の感情にたどり着けなくなり、俺はもう死ぬのだろうかと思っていた。

芸術は自己のためだけじゃない、迷える人たちのためでもあることに気がついた。

同じ道を歩く者の先輩となり、指導者となり、友となり、互いに支え合って生きていく。

そんな当たり前のことに気づいた。清貧なる友よ。

僕らは生きようじゃないか、四角い白い箱に負けずに、

額に汗して、言葉をつむぎ、すぎたる幸せを掴まぬように

大地に種をまこう、大地に種をまこう