HELP!

君の名は。を見た。テレビで見た。俺の心がぐちゃぐちゃになる。いろんな事が心に流れ込んできてぐちゃぐちゃになる。呼吸が浅くなる。ソラナックスを飲む。プロチゾラムを飲む。一錠ずつ。バーボンを少し垂らしたコーヒーで流し込む。世界が緩やかに流れ出すのを待つ。俺の世界がうすらぼんやりして、生きていくのに適した温度になるのを待つ。明日まではもう少し。悲しむ時間も苦しむ時間もいらない。ただこの奇妙な動悸が収まってくれればいい。

フィクションが流れて町長が街を救った。そんなの信じない。SFだから何をやってもいい。ラブストーリーなんかどうでもいい。三葉と瀧は時の流れの中でお互いをどう思っていたのか。映画の編集ではお子さま向けになっていたが、もっと違うことを原作者は思っていたはず。時空を越えた恋。もっと複雑に。奥寺先輩なんてどうでもいい。サブキャラのキャラ設定がブレブレでもいい。時空を越えて人は恋をするのだ。見えない人を知らない人を恋をするのだ。

生きて帰るのだ。もと居た場所に。濃すぎる人生にさよならするのだ。変化し続けても変わらないものも、あるのだ。生きることがまた、よみがえるはずだ。