ファンタビ

昨日「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」を見た。良くできた映画というかシナリオで、原作者J・K・ローリングの世界観を見事に描いている。ハリーポッターの続編ではあるが、過去の話でハリーポッターシリーズ全部が複線になっているのだろう。若きダンブルドアなどが登場しいくつもの複線が回収されるのだろう。

魔法族は優秀なのだから人間の上に立ち、支配するべきだ。とグリンデルバルドは言った。これはまさしくヒトラーが言った言葉そのものだ。魔法族をアーリア人に変えればいいだけ。J・K・ローリングはコンプレックスと嫉妬をうまく利用して話をかく。

悪者もちゃんと悪人で感情移入しやすく、主人公も単純に心優しいだけのキャラクターではないのだが、第一作ではその、深みを見せず徐々に仲間が分裂したりくっついたりと、うまくペース配分しているように思える。

 

J・K・ローリングは人間を愛してもいるが、悲しみの視線でも見ているのだろう。人間が時に無力でバカな存在として描かれ、魔法使いにとっては使えない奴に思える。ファンタビは全五作の予定で1945年に終わると、書いてあった。つまり最後は第二次世界大戦が舞台になるということだ。原子爆弾と何かしら魔法を絡めて、書きそうな気がする。人間の愚かさ、魔法族の愚かさ、も実は根っこは同じ。

 

戦いと調和。愛と憎しみ。永遠のテーマ。生きるために戦うべきか。生きるために愛するべきか。もしくはその両方か。誰を?誰と?

自分が優秀でも自分がポンコツでも人は悩み苦しむ。生きる意味はなくて、暮らしがあるだけと歌にあるが、それは少し寂しいような気がするんだ。