希望

今週のお題「読書の秋」

``俺が目が悪くなってから読んだ本は一冊だけ。タイトルがちゃんと思い出せない。「絶望辞典」といったような本だったが、検索してもでてこないのでたぶん、間違っているのだろう。

古今東西著名人の絶望、弱音を集めた言葉で、とても癒された記憶がある。そういう著名人でも弱気になって絶望の言葉を綴るというのは大変、読む方にとっては心強い。

僕はいつもゴッホ宮沢賢治を思い出すのだ。才能という意味では僕なんかが、口に出すのも恥ずかしいのだけれど、ゴッホの絵と宮沢賢治の詩は、時にどうしようもないぐらい、絶望に満ちて、またそれだからこそ希望を求めて、すばらしい作品を残してもいるのだ。

ちゃんと目が見えるようだったら、ゴッホとテオの書簡を読んでみたいものだ。絶望した人々は結果自殺する。それは理屈は通っている。生きていくことに価値を見いだせないことが絶望というのだから。

漱石草枕でこの世は住みにくいといっているが、どこに行っても住みにくいのに変わりはないし、この住みにくい世の中を少しでも和らげてくれるのは、詩と絵画だといっている。彫刻と歌だと言っている。

日本の自殺率は18位、韓国はもう少し上で一桁台だった。旧社会主義国が上位に来ている。競争社会で生き抜けなかった人々や、社会主義国のように監視社会で互いにだれも信用できない用になると、死にたくもなるのだろう。

また宗教的に自殺が禁じられている国は、順位が低い。

生きていてどうやねん。楽しい?幸せ?もしくはその二つでないとあかんのか。普通よりもちょっと下やけど、死ぬほどでもない、みたいな選択肢だってある。

高校の時にらもさんの「僕の踏まれた町」を図書室で読んだ。「苦しいことも多いけど、生きててよかったと思うことが時々ある。だからとりあえず明日にたどり着こうと思う」みたいなことが書いてあった。

最近は生きててよかったと思うことが少なくなった。それは俺の心がまだ闘病中だからだろう。もう数年したら、突き抜けるかもしれない。負けてしまうかもしれない。とにかく大事なのは明日に着地することだ。不時着でもいい。ケガだらけでもいいから、とにかく明日にたどり着く。そこから先はまあ、ね。ドアーズ聞くなり、モネを見るなり何なりと・・・・・・。