ベイダー卿

ダース・ベイダーのTシャツを着ていた。看護師さんにダース・ベイダーライトセイバーが刺繍でオレンジになっていて、かわいいですねといわれた。確かユニクロで買ったやつだったと思ったのだが、面白いところに食いつく看護師さんだなって、思って、この冬にまた新作が公開されますねって言った。

看護師さんはスターウォーズファンにしては若いように見えた。12月13日公開ですね。私全部見てるんですっていった。本物のスターウォーズファンなんだなって思って、僕も全部見てますよって言った。

男子のスターウォーズファンは比較的多いと思うが、若い女子がスターウォーズファンなのは少し嬉しい。嫁は俺と見に行ったやつはわかっていると思うが、そんなには好きではないと思う。

血液検査で採血してくれた赤い看護服をきた看護師さんだった。もう一度その看護師さんにあったなら、一緒にスターウォーズ見に行きませんかと、さそってもいいだろうか。

たぶんそういうことは起こりそうにない。もう一度その看護師さんを見かけても、見分けられないだろうし、それこそコスプレして病院に行く勢いじゃないと、向こうからまた声をかけてくれるなんて事はないだろう。

俺は無口になった。だからあんまり俺に話しかける人間は多くない。みんな渋々用事があって俺に話しかけるのだ。それはもうしょうがない。俺は話して楽しい人間ではなくなった。

昔なら出家して山にでもこもるところだ。蝉丸みたいに・・・・・・。蝉丸ってお坊さんやったっけ?忘れた。