ケガ

子供の頃から無鉄砲でケガばかりしている・・・・・・。冗談ではない。俺は夏目漱石よりも、おっちょこちょいなのだ。ついこの前まで自転車にはまっていて、暇さえあれば遠出をして、100キロ150キロ走っていた。そんな俺だから、自転車でこけて骨折ということが何回かあった。

鎖骨を二回、顔面を一回骨折した。顔にはチタンプレートが入っている。ケガをする度に、同僚に謝らなくてはならない。俺は職人で腕が使えないと、仕事を休まなければならないからだ。

今はほとんど乗ってない。いい加減、謝って回るのが嫌になったっていうのもあるし、最後にこけた時、顔面をひどくすりむいただけですんだが、地面の凹凸が見えなくて転けた。俺はもう山を下れない、そんな気がしたからだ。もし下りがなくて、登りだけなら、まだ自転車で走っているだろう。だけど山を登ったらくだらなければならない。俺はそのうちまた転けて、大けがをする、間違いない。

俺は自転車が大好きだった。山を登っているときが俺が一番生きているときだった。自然と一体化して生命体として濃くなっていく感じだった。俺はケガをしても許される職業に就くべきだった。

近頃は大人はおちおちケガもできない。社会がケガを許さなくなった。自己管理ができてないとか何とか。スポーツは多かれ少なかれケガが付き物だ。趣味でスポーツができないのは、大人としてはどうなのだろう。ゴルフやマラソンなど比較的安全なスポーツもあるが、大人しく生きていくなんて、バカバカしい。

社会人としての責任とは何か。人に迷惑をかけない。それはわかっている。好きで迷惑をかけてるわけじゃない。自転車に乗るのがそんなに悪いことか。俺は何度も自分に問うた。たばこを吸って、酒浸りになるのと似たり寄ったりだと思うんだが。

谷垣さんも大変みたいだが、頑張って欲しい。もう一度復活して、自転車乗りの魂を見せつけて欲しい。ガンバレ!