老人

ヘミングウェイの小説「老人と海」を読んだことがある。年老いた漁師が大きなカジキを釣ったのはいいが、港に戻る途中で鮫にほとんど食べられてしまう、そんな話だったと思う。

ヘミングウェイ自身はキューバで良く釣りをしていたらしく、自身がモデルという事も考えられなくもない。

小説の主人公は一人で釣りをしていて、真っ黒に焼けて、お酒を飲むが寡黙なイメージだ。何だろう。俺の理想の老後はあの漁師みたいに、男を感じる人間でありたい。

最近はと書くと、またおじさんのグチが始まったと思われるのだが、それでもかまわない。日本全国が女子高生みたいになっている。そいつが気に入らない。一人じゃ何にもできなくて、集団で裏から手を回して物事を進めようとする輩が多い。直接は対峙せずとにかくわかりにくい。

俺は昭和の人間だから、高倉健が最高だと思っている。黙って、行動し、自分の判断を信じ、自分の責任で行動する。

大物のカジキを半分以上食べられて、がっかりした様子もなく、老人は淡々と生きる。海は自分の思い通りには行かない。そんなことは幼い頃に覚えたのだろう。老人にスマホはなく、鮫にカジキを食べられないようにするための、対策も改善するための道具もない。また明日運が良ければ、大物に巡り会える。タバコをふかしながら、老人はラム酒でも飲むのだろう。

俺も帰って発泡酒でも飲もう。