オラはチャンピオンだべ

最近トヨタのCMでかかっているQueenのWe are the championが気になる。Queenはとても好きなバンドでポップでハードでキャッチーでメロウで、中身のあるバンドだと思っている。その中でもボヘミアンラプソディと並んで代表曲であるWe are the championは通常、ピアノから始まり徐々に盛り上がって、サビでフレディーが歌い上げると最高潮に盛り上がる曲なんだが、トヨタのCMのバージョンは、なんだか社交ダンス仕様というか、とても軽いタッチのアレンジになっていて、最初聞いたときはすぐにはそれがWe are the championだと気づかなかったぐらいだ。

CMには珍しく訳詞のテロップがついていてそれもあって、We are the championだとわかったのだが、何とも度肝を抜かれた。

ミーハーながらビートルズも好きで、サラ・ボーンも好きなので、サラ・ボーンのビートルズカヴァーアルバムを買って聞いたら、ジャズじゃなくて70年代ディスコ調のアレンジで、なんでもTOTOのメンバーが中心になって作ったアルバムだった、ということを後から知った。もっとジャズよりのサラ・ボーンを期待していたので、一度か二度聞いただけでそれっきりだ。

どんな曲でもアレンジ次第で好みにもなれば、嫌いなタイプの曲になってしまう。比較的アコースティックな楽曲なら僕は大丈夫。テクノやサンプリング系の音はまるでだめなんだけれど、メタル系コア系もダメなんです。昔渋谷陽一が何かのライナーに書いていたけれど、優れたロックはどこか女々しさがなくてはならない。みたいなことだったと思う。女々しさ云々についてはそうかなと思うけど、優れた文学と同じ少し内省的なものであると思っている。

あのトヨタのCMのバージョンはロックではない。フレディーがどう思うかはわかっている。曲というのは一度作ってしまえば、一人歩きするものなんだ。だから誰かが大幅にアレンジしてもそれは、時代が人が要求した結果だというだろう。

長くなった。僕はなんだか寂しい気分だ。わかるかい。