ブルートレイン

高校生の頃長崎ハウステンボスに友達と寝台特急に乗って、行った。僕たちはとても若く17歳で、何も知らなかった。僕たちはトランプを持って行った。寝台列車の中で女子大生のお姉さんたちに声をかけて、トランプの相手をしてもらった。数時間話もした。どんな話だったかも覚えていない。

夜が明けて僕たちはもう一度そのお姉さんたちに声をかけ、写真を撮った。列車といっしょに記念撮影をした。一人は白いセーターのようなものを着ていたような記憶がある。僕たちは終着駅まで数時間いっしょだったにもかかわらず、記念撮影のあと「よい旅を」などと言って、別れる気満々だった。

若い。彼女たちも僕たちもあれから、30歳も歳をとった。自分が高校生だった頃が嘘みたいだ。さしてかっこよくもなく、ブサイクでもなく、勉強ができたわけでもなく、足が速かったわけでもない。だけど、人の大多数がそういう人間だったような気がする。その女子大生たちも、さして美人でもなければ、ブサイクでもなかったような気がする。普通の旅する女子大生だった。

携帯にカメラがついて、世の中は綺麗であることに、力を入れるようになった。普通の人の普通の生活は消えてしまった。

いや、普通の基準が恐ろしく早く変わっていってるだけなのだろうけど・・・・・・。おじさんにはついていけないよ