絶望

絶望手帳という本を買う。古今東西、老若男女の絶望やネガティブな名言がのっている本だ。無名な人々のつぶやきから、著名人まで色々だが、たとえ現在有名であっても存命中は無名で恵まれず、うしろ指さされたまま亡くなった人も多い。そういった時代にそぐわず、また時代に迎合しなかった人たちの苦悶がにじみ出ていて、シンパシーを感じる。結局はネガティブな人たちは、大多数な人たちよりも感覚が鋭敏で傷つきやすく、繊細だがそれを自覚することなく自分が間違っているような感覚に陥りがちで、あらがおうとすると、多数派に押し流される。そしてまた深く傷つき孤独感にさいなまされる。そういうことになるわけだ。

だからよけいに認められたい、という思いがあふれて、それがまた疎まれる原因にもなる。言葉は難しくとくに日本ではオブラートに包んだ発言が必要で、いちおうにみな傷つきやすく、疑心暗鬼のうえ表面上の付き合いを続けているからだ。

とにかく才能があろうといなかろうと、静かに心安く生きていける環境づくりに心砕かなければならない。