アイデア

坂道を走りながら僕は考えた。彼は未だわからないのだ。愛の仕組みを。そしてまた彼女もわからないのだ。人とのつながりを。そしてそれを彼らが発見するのだ。人を。つながりを。ウソを。本音の裏にある建前を。

彼もまた失った感情を取り戻すのだ。筋肉で覆われた、城壁をこわして、中に入り込むのだ。